拍手お礼ss 37


- 涙のお願い -


風呂上り。
何気なく部屋の隅へと目をやると、ソコには―
モゾモゾと蠢く物体が!

ソレを見た瞬間―

石川は固まった。
何故なら、ソレは大きな蜘蛛だったからだ。

「…来るな!」
石川の懇願にも関わらず、
ソノ物体はモゾモゾと石川の方へと向かってくる!

「…基寿!基寿!!…」
いつにない、石川の必死な声に驚いた岩瀬は
風呂へ入ろうと脱いでいた服をそのままに、部屋へと入る。と―

ベットの上で、石川が顔を蒼白にして固まっている。

「悠さん!?どうしたんですか?」
石川の元へと駆け寄ると…
涙目になっている石川が声を震わせ訴える

「…ヤツが…」
そう、一言だけ言って岩瀬にしがみ付き、震えている…
「ヤツ?…ヤツって?」
部屋には誰かが侵入した気配はない。
クルリと周囲を見回した岩瀬は、震えている石川に聞くが…
「悠さん!ヤツって誰ですか!?」
「ヤツはヤツだよ… あ!」

石川はベットサイドの一点を見て、再び固まった。
岩瀬はその、視線の先を見て―

「あぁ!…ヤツですね…」
「基寿!早くどうにかしてくれ!!」

石川は更にしがみ付き、口早に訴える。
そんな石川の様子に、ついつい笑ってしまった岩瀬だが―
石川にとっては一大事だ。

しがみ付いている石川をそっと抱きしめ…
「大丈夫ですから。少し離れてて下さいね。」
そう囁いて、石川から離れる。

そして、岩瀬がヤツを捕獲しようとした時。
石川が震える声で
「基寿…殺すなよ…悪気があるわけでもないし…」
「大丈夫ですよ。ココから出しますから」
岩瀬が指したのは、部屋の窓で―

「ダメだ!ソコじゃなくて、もっと遠くで放して来い!!」
「え!…ココじゃダメなんですか?」
「近いだろ!早く!!」
「…はい…」



上を脱いだ状態(半裸)で部屋から強制的に出された岩瀬は…

「…お前には優しいんだけど、俺には優しくないかも… 捨ててこようかな…」
 
紙の上でモゾモゾと動いているヤツにぼやいた。とか…?